無錫松下冷機有限公司

ものづくり人材育成貢献賞

主要事業 :
中国国内向け家庭用冷蔵庫の開発・生産
日本、欧州向け家庭用冷蔵庫の生産
設  立 :
1995年7月
従業員数 :
832人(2016年3月末現在)
所 在 地 :
中国 蘇省無錫市 錫新一路
代 表 者 :
董事長・総経理 下林 伸行 氏

総合所見

無錫松下冷機は無錫の新区という地域に1995年7月に設立され、当初は中国企業との合弁会社でしたが、2007年から独資の会社として運営されています。主な生産品は冷蔵庫で、中国・日本・欧州に出荷を行っています。売上げ規模は1180百万元であり、社員規模は832名(2016年3月末現在)で、中国におけるパナソニックグループの基幹工場です。

今回の受賞に際し、特に以下3点が特徴的であり、評価できるところです。

  • 当初、経営的には赤字の中、その要因として、従業員の定着率の低さやモラル・職務に対する意識の低さがあり、この赤字脱出の課題として「現地人の人財育成」という長期的な施策を設定し、粘り強く取り組み、結果的に継続的なイノベーションを生み、実務的な成果(黒字)を出している。
  • 「モノをつくる前に人をつくる」という松下幸之助の言葉をDNAとし、現地に即した階層別教育体系を構築したこと。その一環として「製造学校」を設立し、中国人が主導でキーマンとなる人財を育成し、ローカルがローカルを教えるという人材育成の「現地化」を行った。特に現地人材が人財育成に先生として主体的に関与し、「他者を教えることで自ら成長する」という独自性のある良い循環の仕掛けを構築した。
  • 育成された人財がイノベーション活動に取組み、Q・C・Dなどの工場ロスの低減を行っていること。特に改善が継続的に行われる仕組みとして、日次・週次・月次でのサイクルを回すことを行い継続性の担保をしている。日次サイクルについては、関係各部門が集まり、その日の問題はその日に決着をつけるスピーディーな活動が現場で行われており、現場の力も確実についている。