トヨタ紡織株式会社 広州桜泰汽車飾件有限公司

ものづくりプロセス革新賞

主要事業 :
自動車内装部品の生産販売
設  立 :
2004年9月(生産開始 2006年5月)
出資会社 :
トヨタ紡織株式会社 75%、広汽部件有限公司 25%
資 本 金 :
2,250万ドル
従業員数 :
1,683人
所 在 国 :
中国

総合所見

1. 仕入れ先との協業体制をとった品質向上活動

仕入れ先(30社)を巻き込み、「仕入れ先大会」を実施している。その中では各社の品質状況の説明で刺激を与えることや、各社の事例報告を行った上で、横展開の依頼も行っているなど、効果的な活動である。

また、「仕入れ先検査員の教育」を各仕入れ先に出向いて行っており、「検査員の心得」「検査の基礎知識」「検査員の能力向上(現物による検知力習得)」、「品質異常処理方法(止める、呼ぶ、待つの徹底)」などの教育を行っている。この教育により、仕入れ先の検査能力を上げている。

2. 「あるべき姿」と到達までのステップを明確化した、わかりやすい活動展開

第1ステップ:客先への流出防止、第2ステップ:内装SS(システムサプライヤー)仕入れ先の体質強化、第3ステップ:内装SSの体質維持・管理継続、と、品質を確実に上げていくためのステップが解りやすく展開されており、早速では無く、活動の着実性を高めている。

また、あるべき姿を「内装システムサプライヤー(SS)として、客先の期待値に応えること」とし、「自工程完結」という考えのもと、活動が展開されている。

3. 現地人材が主導している品質向上活動

現地の人材が、検査の力量を上げるよう机上の社内検査教育に加え、車自体を保有していない従業員が多いことから、実車にて検査のポイントの確認会を実施するなど重要管理項目の再認識を行う活動は特徴的であり工夫されていると思われる。

実施している改善内容は、どれもベーシックな改善で目新しさはないが、海外の事業所において、仕入れ先まで踏み込んだ改善をローカルスタッフ中心に取り組んだ点は高く評価できる。品質維持は当たり前のことをトコトン行うことである、イコール凡事徹底ということを現地従業員に理解させている。