コマツ 粟津工場
ものづくりCSR貢献賞
- 主要事業 :
- 中・小型建設機械の製造
①履帯式建機 (クローラ)(生産機種75機種)
②タイヤ式建機(ホイール)(生産機種51機種) - 設 立 :
- 1938年
- 出資会社 :
- ―
- 売 上 高 :
- 2,123億円(2013年度粟津工場)
- 従業員数 :
- 1,400名(生産本部粟津工場のみ)
- 所 在 国 :
- 日本
総合所見
1. 高い目標を掲げた新組立工場実現のために、関連するメンバー全てを結集させ、実際に実現した成果の大きさ、内容の高さと行動を伴った取り組み
老朽化した工場をリニューアルではなく新築することとし、建屋だけでなく新たな生産ラインの構築をも実現している。その新工場実現に際し、高い実現目標を具体的に掲げ、その実現のために、従業員はもとより地域、関連企業、大学等々幅広い方々の参画を引き出している。
それまでに蓄積してきたノウハウはもとより、従来では踏み込まなかったであろう領域まで踏み込んで検討し実現している。一例として、車格が7倍異なる126機種を多品種少量かつフレキシブルに混流生産できる新ライン(クローラとホイールの2ライン)を構築するため、旧ラインでは制約条件が多く実現できなかった課題を全て俎上に挙げて検討し、課題を解決している。
具体的には、組織を超えたプロジェクトチームを編成し、若手技術者に役割を持たせ「場」を作り、ベテランとのワイガヤ(朝会72回)やOB指導会を通じ、プロジェクト成果を確実にして来た。こうしたことを通しての技術の伝承や若手技術者の育成を実現している。
2. 新組立工場実現のために検討し実践した事項の発展とそれによる地域貢献
長い期間をかけ培ってきた技術、そして新組立工場建設で実現したことを進化させ、新たな地域事業へと発展させている。
自社の事業そのものがCSRであるという認識のため、地域の特に農業・林業を意識した新たな事業の芽を育てることに寄与している。一例として、木質バイオマス発電システムで使用する木製チップを加工するために、ヨーロッパではなく、地元産の燃料用木製チップ加工機を新たに開発した。
もちろん原料は地域の森林の間伐材が使われている。間伐材の処理に困っている日本林業にとって朗報であり、実際に森林の環境整備が推進され、6名の雇用創出につながっている。更に、循環型バイオシステムを地元企業と検討するに至っている。