日産自動車 / 東風日産乗用車公司 広州風神汽車有限公司
ファクトリーマネジメント賞
- 主要事業 :
- 乗用車の製造
- 設 立 :
- 2003年6月
- 従業員数 :
- 6,100名(2011年12月)
- 所 在 地 :
- 中国広東省広州市花都区風神大道8号
- 代 表 者 :
- 総経理(工場長) 陽 玉龍 氏
総合所見
東風日産乗用車公司 広州風神汽車有限公司 花都工場(以下、HD工場)は、2004年から8年間という短期間で、年間54万台を生産する世界水準の工場へと成長した。ルノー・日産グローバル生産拠点総合ランキングでも世界第1位を達成し、生産量だけでなく、ものづくりの実力でも世界最高水準にまで成長して来たと評価する。
この間HD工場は2002年~2004年を「基本段階」と位置づけ、日産からN-PMS(Nissan Production Management System)をはじめ、方針管理やIE/GK(現場管理)の導入、経営管理体系の整備など、基本を学ぶことに努力して来た。次の2005年~2007年を「学習段階」と名付け、NPW事務局管轄の6推進チームを中心とした活動を持続的に展開し、全社員にNPW(Nissan Production Way)の概念がいきわたるように努めてきた。2008年からの「超越段階」では改善チームを設立し、開発・実施・メンテナンスを自主的に展開し、ベンチマーク活動を通して全体的な工場運営を図ってきた。これまでの全ての取り組みの結果として現在の最大の課題である増産に応えることを目的に、生産能力の限界に挑戦し、2S3G(2直3グループ)体制を確立するに至っている。
この間の活動は3代の現地人総経理のリーダーシップにより、継続的に展開されてきた。合弁企業ではあるが、東風、日産、台湾裕隆、風神の社風・文化の違いを乗り越えるべく、当初からマネジメントの現地化を意識して進めてきている。日本人と現地の方々の役割を意識した推進、日産の組織文化を押しつけることなく、現地のマネージャー層の自主性をうまく引き出すようなマネジメント、さらに上述したような発展目標に従った段階的な取り組みは、他の参考になるものと思われる。
トップのリーダーシップだけでなく、実践の場ではミドルマネジメント層の積極的な取り組みが随所で見られ、HD工場の活動を特徴づけている。それをトップマネジメントが見守り、指導していくことにより、全体の一体感につながっていると思われる。