オリンパス株式会社 / 会津オリンパス株式会社
ものづくりプロセス革新賞
総合所見
会津オリンパス株式会社は、1970年にオリンパス光学工業株式会社(現オリンパス株式会社)の関係会社として設立し、創立当初より内視鏡関係の部品・製品の製造を行っている。現在は、オリンパスの医療内視鏡スコープ全ての生産を任されており、部品加工では「高度精密加工技術」、微細な組立作業では「匠の技」、これらを支える「高度情報システム」の3つの柱で世界トップシェアを達成している。
その中で、モノづくりでも世界No.1を実現するために、会津イノベーションシステム(AIS)活動を立上げ、「一個生産、一人生産、一貫生産」というモノづくりシステムに関する柱を明示し、リードタイム短縮、在庫削減を行うことで、品質向上、原価低減、納期遵守を推進してきた。これらの活動は、製造不良損金の半減、内視鏡スコープのリードタイム半減など具体的な数値成果を生み出す実質的なものとなっている。また、AISでは、「モノづくりは人づくり、人づくりはモノづくり」をモットーに、人材育成にも取組んでいる。これらモノづくりプロセス革新と人材育成を融合させた活動内容が、日本でモノづくりを継続させていく上で、大変参考になる事例と考える。
人材育成活動を進める仕組みに関しては、ポイント制による資格取得の推進、高度技能者育成制度などでモチベーション面まで捉 えた工夫がみられる。また、多くの女性従業員を有する企業として、女性ならではの強みを積極的に戦力化するためのレディース改善研究会を開催し、大きな成果をあげてきた。
今後についても、リードタイム1/3化などモノづくり世界No.1の目標を明確にしながら、国内生産にこだわり続け、大変期待できる活動と考える。