トヨタ紡織株式会社 インタビューその2|現地社員のモチベーションを上げる3つの方法は?
GOOD FACTORY賞受賞企業のトヨタ紡織株式会社 広州桜泰汽車飾件有限公司
総経理 吉川靖司さん
工場長 堀井敏さん
にお話を伺いました。日本能率協会の小宮太郎がインタビューします。
(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)
現地社員のモチベーションを上げる3つの方法は?
小宮
小学校5年生と謙遜されていましたが、小学生が大学生と肩を並べるには相当な苦労があったと思います。
その辺についてはいかがでしょうか。
吉川
工場のオペレーションは日々、いろんなことが起きますから、それに対応しながら取り組もうと考えていました。
本当は昨年、エントリーしたかったのですが、新車種の切り替えみたいなことがあり、今年に先送りさせていただきました。
だから、今年は「必ず取るぞ」という気持ちで取り組みました。
努力したのはみんなの気持ちを同じ方向に向かわせることでした。
それと社長は私で4代目なのです。
社の歴史を振り返らないといけませんが、中国人の現地社員には創業からずっと働いている10年選手がいます。
彼らに昔のことを思い出してもらいながら、資料を掘り起こし、振り返りの作業を進めました。
その中で、いろいろと気づかせてくれることがありました。
「何かにつけて賞は人だな」と感じたのがその1つです。
うちの会社も人材育成はずっとやってきました。
本当に人を中心に考え、「人間尊重」を会社の理念の中に入れています。
人材育成の特効薬はありませんから、これからも地道に続けていくつもりです。
堀井
今回はSSというシステムサプライヤー関係の課題でエントリーさせていただきました。
その活動を進めるうえで苦労したのが、従業員のモチベーションをいかに上げるか、また、意識づけも大変でした。
この活動は2011年から進めて、第1から第5まで5つのステップに分けて進めてきました。
2011年は社内の検査体制確立を目的とし、活動としては勉強会や指導会を繰り返してきました。
しかし、従業員にやらされている感じが見え、なかなかモチベーションが上がっていきませんでした。
そこで、モチベーションを上げる方法を必死で探しました。
思いついたのは、客先から実車を借り、自分が検査している部品がどこにつくかなど、実際に車を見ながら検査の勉強会をすることです。
すると、従業員の意識が徐々に高まっていきました。
もう1つが検査員認定制度です。
「この検査はあなたしかできない」という感じにし、責任感ややる気を植えつけるのを目的としています。
第2ステップからはTBグループの中で初めてとなりますが、仕入先に入り込んで改善活動を始めました。
仕入先32社のうち、ワーストクラスから改善していくことにしました。
しかし、素直に受け入れてくれない事業体や、いろいろな勉強会をしても納得しない事業体もありました。
総経理にも相談し、理解に向けたさまざまな活動を展開し、段々と理解を深めてもらいました。
現場では、桜泰の現地社員のスタッフが検査員として改善を進めていました。
あれこれと教えていくのですが、なかなかうまく受け入れてもらえません。
「これをやって」と指示しても、やってくれなくて、現地社員も苦労したようです。
根気よく足を運んでいくうちに、次第に成果が見えるようになってきました。
そうすると、仕入先もその気になってきます。
段々とやる気が出てきたわけです。
モチベーションを上げるのには、本当に苦労しましたよ。
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