梶文彦の「ニッポンものづくり紀行」 その50|法隆寺棟梁の西岡常一に伝わる「口伝」
これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。
法隆寺棟梁の西岡常一に伝わる「口伝」
法隆寺棟梁の西岡常一に伝わる「口伝」です。
このページをご覧いただいてきた読者の方々にはその意はご理解いただけると思います。注釈を入れずに読んでいただきましょう。
一、神仏をあがめずして社頭伽藍を口にすべからず
一、伽藍の造営には、四神相応に地を選べ
一、堂塔建立の用材は木を買わず山を買え
一、木は生長の方位のまま使え、東西南北はその方位のままに
一、堂塔の木組みは、寸法で組まず木の癖で組め
一、木の癖組は工人たちの心組み
一、工人たちの心組みは匠長が工人らへの思いやり
一、百工あらば百念あり、一つに統ぶるは、匠長の器量なり、これを正と云う
一、百輪一つに止める器量なき者は謹み惧れて匠長の座を去れ
一、諸諸の技法は、一日にして成らず
一、祖神たちの神徳の恵なり、祖神忘れるべからず
~Page50~
梶文彦氏執筆による、コラム「ニッポンものづくり紀行」です。梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています!
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