梶文彦の「ニッポンものづくり紀行」 その19|桐生/足利に見るものづくり遺産の残し方(4)<旧ベーカリー&カフェ「レンガ」(旧金谷レース工業)>
これからの日本のものづくりを見据えるために、過去の出来事やその成り立ちに関する情報を提供するコラム。発想を変えたい時やちょっとした仕事の合間にご覧ください。
桐生/足利に見るものづくり遺産の残し方(4)<旧ベーカリー&カフェ「レンガ」(旧金谷レース工業)>
天満宮の交差点を東の桐生川の方に行くと見えるのが、煉瓦づくりのノコギリ屋根工場。金谷芳次郎が金芳織物工場として1919年(大正8年)に始めた工場です。かつて市内にたくさんあった煉瓦造り+ノコギリ屋根工場も多くが解体され、いまではここ1軒になってしまいました。工場は木造平屋建・鉄板葺・外壁は煉瓦積です。
当初は、5連の工場でしたが、2008(平成20年)に北側の1連を撤去し、残りの4連をベーカリー&カフェ「レンガ」として再生しました。通りに面して低くテラスが作られていて、工場の外壁は、煉瓦の長手と小口を1段ごとに交互に積んだイギリス積み。煉瓦は東京駅に使われているのと同じ、埼玉県深谷市の日本煉瓦製造株式会社製です。
事務所棟は昭和初期に増築されたもので、外壁はスクラッチタイル貼り。鋸屋根工場と事務所が、国の登録有形文化財に登録されています。
店内はカフェになっていて、煉瓦造りとノコギリ屋根を内側から眺められるので、拝見しながらコーヒーで一休みするのも良い。セルフサービスなので使いやすく、広いカフェは落ち着きます。営業時間は、平日8:00-18:00、土日祭7:00-18:00 年中無休。駐車場有。
4連のノコギリ屋根のレンガ壁のベーカリー&カフェ。違和感なく景観にも溶け込んでいます。表に面して低いウォークイン・テラスが設けられていて、これがレンガ壁の雰囲気を盛り上げています。
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梶文彦氏執筆による、コラム「ニッポンものづくり紀行」です。梶氏は、長い期間にわたりものづくり企業の国内外でのコンサルティングに携わり、日本製造業を応援しています!
地球の歩き方「Look Back Japan –ものづくり強国日本の原点を見に行く」連載中!