受賞企業・選考理由・所見
ファクトリーマネジメント賞 東芝産業機器アジア社 Toshiba Industrial Products Asia Co., Ltd.
主要事業 | 主に産業用高効率モータの開発/設計/製造/販売、車載用発電機モータの製造/販売、産業用インバータの販売 |
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設立 | 2008年12月22日 |
従業員数 | 1,017名(2024年3月末) |
所在地 | ベトナム社会主義共和国ドンナイ省ビエンホア市 アマタ工業団地 |
代表者 | 東芝産業機器アジア社(Toshiba Industrial Products Asia Co., Ltd.) 取締役社長(General Director) 山中 元氏 |
「常に改善&常に前進(Luôn cải tiến & hướng về phía trước)」
失敗と反省から学びを得て、チーム一丸となって技能・知識に磨きをかける
受賞理由・所見
東芝産業機器アジア社は、2008年の設立以来、ローカル社員の主体性を重視したマネジメント改革を通じて、ベトナムにおける産業用高効率モータ製造の中心的存在となっている。
特に、2015年以降のクレーム増加やコロナ禍といった困難を契機に、ローカルメンバーに権限移譲を進めた「ローカルファースト」マネジメントの導入が奏功し、品質向上、生産リードタイム短縮、経常利益の増加、労働災害削減など顕著な成果を挙げた。この結果、同社のマネジメント手法は日本の本社からも注目を集め、評価された。
特に評価できる点として以下をあげる。
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ローカル社員の自律化と主体的な工場運営
約1,000名の従業員に対し、日本人スタッフ7名での支援体制を整備。ベトナム人副社長が実務リーダーシップを発揮し、自律型マネジメントを推進。
2030ビジョンや中期計画の策定をローカルマネジャーが主導し、事業継続への主体性を強化。 -
プロセス改善とDXの活用
自社開発の基幹業務システムなど独自のDX基盤を構築し、財務、品質、物流、人事などの全プロセスを網羅。
改善活動を推進する仕組みを整え、ローカルメンバーの主体的な取り組みを支援。 -
品質向上への挑戦
「日本品質の10倍」を目標に掲げ、オンラインチェックシステムや塗装ロボット導入を通じて品質改善を実現。
計画的な教育の実施や、現場での実践により、品質意識と実務スキルの向上を推進。 -
人材育成とモチベーション向上策
多能工認定制度や奨励金、技能競技会を通じた技能向上。
技能訓練道場の設置や受賞者をインストラクターに起用する仕組みで、継続的な教育とモチベーションの向上を実現。 - 「両利き経営」の実現 産業用高効率モータに加え、車載用発電機の生産体制を構築し、新規事業分野の成長を推進。
これらの成果は、他社の模範となるものであり、GOOD FACTORY賞®(ファクトリーマネジメント賞)の受賞に相応しいものと高く評価された