受賞企業・選考理由・所見
ファクトリーマネジメント賞 パナソニックホールディングス株式会社 杭州松下家用電器有限公司
主要事業 | 中国国内向け衣類洗濯機、乾燥機 |
---|---|
設立 | 1962年 |
従業員数 | 1,719名(2024年3月末) |
所在地 | 杭州市経済技術開発区松乔街6号 |
代表者 | パナソニックホールディングス株式会社 杭州松下家用電器有限公司 副総経理 国正 芳治 |
お客様視点のOPEX活動で安定した増収増益体質を構築
受賞理由・所見
杭州松下家用電器有限公司は、競争力低下に直面しつつも、現地化と徹底的なベンチマーキングに基づく構造改革を推進することで、収益改善、固定費削減、従業員満足度向上などの成果を達成した。
同社は、トップの現地人起用をはじめ、ECM改革、省人化・自動化、生産性向上、SCM改革、人材育成といった多岐にわたる取り組みを一体的に進め、その結果、国内販売額と利益が過去最高を記録し、主力製品である洗濯機のシェアでは外資系メーカーで首位を獲得した。
これらの活動は、優れたファクトリーマネジメントの好例であり、GOOD FACTORY賞にふさわしい取り組みと評価されます。
特に評価できる点として、
- 現地化の推進 会社のトップ(総経理)、各部門責任者に現地人材を起用し、現地経営の効率化とモチベーション向上を実現。
-
ベンチマーキングに基づく構造改革
組織改革で部門や課を削減し、固定費削減と意思決定の迅速化を実現。
チャイナコスト活動を通じ、競合製品の徹底分析に基づいたコスト最適化を推進。 -
ECM改革と技術革新
モジュール設計の推進を図り、モジュール組み合わせにより製品展開のスピードアップを実現
CAE解析を導入する事により試作・設計検証時間を減らし、設計効率とリードタイムを改善。 -
SCM改革
生販サイクルの短縮と同時に生産を確定させる事により、変化に追従出来る業務プロセスへ変革
調達面においてもJIT納入比率を引き上げ、在庫コストを削減。 -
工場合理化(省人化・自動化の推進、継続した現場改善の仕組み)
自動化設備を現調化することで投資効果を高め、人生産性を向上。増産も視野に入れ積極的投資を実施。
通常生産における問題・課題解決の為、大部屋活動で見える化を行い、全体効率を高める。 - 人材育成と成果主義の導入 成果主義を導入し、チームのモチベーションを高める仕組みを構築。定期的な従業員満足度調査(EOS)で、職場改善とエンゲージメント向上を図る。
以上の取り組みから現地市場での競争優位性を確立し、効率性と収益性の両面で成果を上げている。
同社の成功事例は、他社にも応用可能な先進的なマネジメントモデルを提供する。
これらの成果は、他社の模範となるものであり、GOOD FACTORY賞®(ファクトリーマネジメント賞)の受賞に相応しいものと高く評価された。