受賞企業・選考理由・所見
ものづくりプロセス革新賞 花王株式会社 川崎工場
主要事業 | 主に洗濯用洗剤・住居用洗剤・全身洗浄・シャンプー・リンスなどの家庭用品の製造 |
---|---|
設立 | 1962年10月 |
従業員数 | 272名(2023年12月31日 現在) |
所在地 | 〒210-0862 神奈川県川崎市川崎区浮島町1-2 |
代表者 | 花王株式会社 川崎工場 工場長 古河崎 耕志 |
市場の変化に追随した『高品質・高効率・低環境負荷』工場の実現。
受賞理由・所見
花王・川崎工場は1962年に設立された花王の中で4番目に操業年数が長い工場であり、東日本や首都圏の市場に家庭用品を生産・供給する基幹工場として、花王グループ内で重要な役割を担っている。粉未タイプの洗剤から液体タイプの洗剤への移行、1回替えから大容量複数回替えパウチへの移行、SKU数の増加、消費者ニーズの多様化などの市場環境の変化により、それに追従すべく高品質、高効率、低環境負荷の生産工程を構築したことは賞賛に値する。
特に、さまざまな部署が協力しあい省人化・省力化を実現した生産プロセス・イノベーション、ESG視点を取り入れた「よきモノづくり」は同工場の特徴と思われ、ESGあるいはCSRのレベルはかなり高いと評価できる。
実際に工場の生産性・省人化・エネルギー使用量・CO2削減量などにおいて大きな効果を上げていること、特に人生産性では花王の中でもナンバー1であり、川崎で立ち上げた技術や商品が世界の工場で展開される存在となっている。
特に以下の取り組みや活動がポイントであり、同社の工場マネジメントの重要な点として評価に値するものである。
- 顧客ニーズ対応と低コスト化 既存設備を活用し敷地拡張をせず、低コストで設備開発を実現。
- 配合プロセスの革新 生産時間短縮や洗浄廃液削減により、生産能力を向上(1.7倍)。
- 充填・包装ラインの革新 パウチ包装材の自動化を実現し、省人化と効率化を達成。
- マネジメント体系と部門間連携 OKRによる目標管理や品質保証活動を活用し、再発防止と全体最適化を推進。
- 人材育成の充実 習熟度管理や計画的教育訓練を実施し、プロセス改善スキルを向上。
- ESG視点での活動 エネルギー削減や地域連携を通じた環境貢献を推進。
これらの活動は、花王グループ内でトップの生産性を達成し、技術や商品が他工場にも展開される点で模範的です。他社にも参考価値があり、GOOD FACTORY賞®に相応しいと評価された。