受賞企業・選考理由・所見
ファクトリーマネジメント賞 東芝産業機器システム株式会社 三重事業所
主要事業 | 産業用モータ、変圧器、モータコントロ-ルセンタ、汎用インバ-タ及び車載モ-タ、及びこれらの部品等の開発/設計/製造 |
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設立 | 1938年3月28日(設立当初は、芝浦製作所 三重工場) |
従業員数 | 931名(2023年3月末時点) |
所在地 | 〒510-8101 三重県三重郡朝日町縄生2121 |
代表者 | 東芝産業機器システム株式会社 常務取締役 生産統括責任者 三重事業所 ゼネラルマネジャー 伊藤 渉 |
「TIPSmile!」笑顔で楽しく、安全・品質・生産性の向上をめざした魅せる事業所作り
受賞理由・所見
東芝産業機器システム(株)三重事業所は、1938年の操業開始以来、産業用・車載用モータ、変圧器、モータコントロールセンタ、汎用インバータ等の機器の設計、製造を行ってきた。その中で2014年、2015年と連続して発生した主力機器の品質不良、そして2018年の現場作業における災害の多発を契機に、より安全で、高い品質の製品を生産性高く製造する事業所を目指し、事業所全体での業務変革を推進してきた。また、そのための活動を推進する仕組みとして5S活動、SGA活動(注1)およびCFT活動の3重構造の体制を構築し、人材育成も含め全員参加で活動する仕組み、それこそが当事業所の特徴である。
さらに、CFT活動(注2)のチーム構成は、ライン部門(現業部門)である製造メンバーや製造技術者と、スタッフ部門のシステム、自動化、IE(注3)、現場改善ができるプロフェッショナルの双方が必ずプロジェクトメンバーとして参画するなど、密な定例会議を通じてチームを運営していくといった体制も、活動実施の信頼度や効率アップに大きく寄与している。
このようなマネジメントの方法をさまざまな活動に適用した結果として、安全問題発生後の2019年以降は災害件数が年間1~3件と減少し、品質問題に関しても品質保証費が大幅に減少するなど、大きな効果を上げている。
事業所での改善推進に縦横の組織や担当者からマネジメント層まで参画し、まさに従業員全体に浸透した一体感のある活動である。
具体的な評価ポイントとして、
- 全員参加でかつ人を育てる3重構造の改善活動体系(5S活動、SGA活動、CFT活動)による、トップダウンとボトムアップの融合
- スタッフ部門と事業部門の連合型CFT活動
- IoT、ロボット化、ダイバーシティなども含めた幅広い職場改善活動
- 単なる整理整頓だけではない、本物の5S活動
- 3重構造の活動体制を支える、人財育成、安全衛生活動、人財確保活動
これらの内容はどれも優良な活動で、他社の見本となるものであり、GOOD FACTORY賞®(ファクトリーマネジメント賞)の受賞に十分値するものと評価された。
(注)「TIPSmile!」:英語社名の略称(TIPS)とSmile(笑顔)を組み合わせた全社活動の愛称
(注1)SGA:Small Group Activity(小集団活動)
(注2)CFT:Cross Functional Teamによる改善活動
(注3)IE:Industrial Engineering