受賞企業・選考理由・所見
ものづくりプロセス革新賞 日産自動車株式会社 栃木工場
主要事業 | 自動車製造および自動車部品製造 |
---|---|
設立 | 1968年 |
従業員数 | 約5,200名(2022年9月1日時点) |
所在地 | 〒329-0692 栃木県河内郡上三川町上蒲生2500 |
代表者 | 日産自動車株式会社 栃木工場 工場長 菊池 英司 |
将来を見据えた、工場ものづくりプロセスの革新
受賞理由・所見
日産・栃木工場は、パワートレイン部品の生産と、高級車の車両生産を同一敷地内で行っている。
高級車を生産しているということから、同社の他の工場と比べても高い品質を維持し、先導的な工場として活動を行っている。高級SUV電気自動車「アリア」の生産開始を機に、さらに進んだ未来の工場作りを目指した生産工程に特徴があり、特に、次の2点は同工場の特徴的な点とし、
1点目は、Nissan Intelligent Factory (NIF) の思想に基づいて自動化を進めてきた。ここでは、一般に工場での自動化ターゲットとなる、生産工程の自動化だけでなく、設備保全に対する予知保全、物流・搬送に対する自動化など、多方面にわたっていることが特徴とされる。
2点目は、NIFを支える位置づけとして、TPM活動を幅広く、徹底して推進している点。これらは、通常行われている個々の生産現場での活動だけでなく、複数の製造課が連携した活動、間接部門を含む工場全体の活動としても展開していることが、よい取組みであると考える。RPAなど新技術も活用し業務の効率化を行うことで、上述のような高付加価値業務へ転換させていることもあわせて実施しており、このことも特徴といえる。
このように、先端技術での自動化推進やデジタル化に偏ることなく、間接部門を含めた工場全体の現場力向上も強く意識した、底力のある活動が推進されていると評価した。具体的には以下の点を、高く評価した。
- 優れたものづくりシステムNIF(Nissan Intelligent Factory)と、それを支えるTPM活動の融合
- NIFの思想に基づいて幅広い対象で自動化を推進
- 自動化推進にともなうTPMの進化、および、幅広い対象で改善活動の徹底推進
- 積極的にデジタル技術を活用した業務改善の推進で、高付加価値業務への転換
これらの内容はどれも優良な活動で、他社の見本となるものであり、GOOD FACTORY賞®(ものづくりプロセス革新賞)の受賞に十分値するものと評価された。