GOOD FACTORY賞®

ものづくり人材育成貢献賞 マツダ株式会社 本社工場

主要事業 自動車製造および自動車部品製造
設立 1931年3月
従業員数 7,580名
所在地 〒730-8670 広島県安芸郡府中町新地3-1
代表者 マツダ株式会社 本社工場
工場長 宮脇 克典

マツダ生産方式をベースとした、ものづくり力の追求と、最強の現場力人財づくり

受賞理由・所見

マツダ株式会社本社工場は、1931年に操業開始し、激しい環境変化の中で生産物流領域の付加価値変化に対応していくために、ものづくり力を極め続け最強の現場力人財を持ち続けることを重要としている。1973年のオイルショック以降の経営危機を乗り越えるためにものづくりは、Mazda Production System(以下MPS)という形で1985年にまとめられ、職場の管理改善に取り組み、現場力と改善力のレベルアップを図っている。

MPSの重要な概念は価値編成(人・物・設備が価値を生む動きのみで構成されたあらゆるロスが排除された状態)とジャストオンタイム(物・情報の流れが生産計画に同期して必要な時に必要な量だけ混流同期生産のラインに供給された状態)という二つである。その二つを実現させるのが人であり、人財育成が工場運営上の鍵となっている。この人中心の考え方はマツダが大切にするべき価値(人を深く知る、人と共に創る、飽くなき挑戦)としてブランド価値経営という形で浸透、企業風土になっている。

MPS活動もこの人中心の考えに沿って行われてきており、その特徴として、(1)生産において企業体質の要は管理職と現場の接点である職長にあると定義し、職長活躍の最大化によりMPSをレベルアップさせるという点(2)人に焦点を当てるという考えそのものも企業価値観・企業風土に由来し、人を育てESを向上させることがCSにどう繋がるのかを明確に描いている点(3)ビジネス効率概念で活動区分を明確にし、MPS、ストレート生産、ロス排除などの組み合わせを整理し推進している点(4)活動活性化面にも手をいれ、人を意識づける場を定義し場づくりへ反映している点(5)教育についても体系整理や時代の流れに合わせた取り組み(リモート、シニア・女性)も含め対話を重視する工夫をしている点(6)メダルや褒章のためのマイスターでなく革新を牽引するためのマイスターという位置付けで職場レベルアップ、現場革新活動を進めようとしている点などとして挙げることができる。

これらは、実際の現場において以下がポイントとなり確実に運用されている。

  1. 人間中心の工場人財育成の仕組み、教育体系
  2. 価値経営の職場への落とし込み
  3. ものづくり革新コンセプトの具体的定義
  4. 人が活きる場づくり
  5. 人と職場の状態把握

以上が、ものづくり人材育成貢献賞として評価される優良な活動として他社の見本となりうるものであり、GOOD FACTORY賞®(ものづくり人材育成貢献賞)の受賞に十分値する工場であると評価された。