受賞企業・選考理由・所見
ファクトリーマネジメント賞 花王株式会社 鹿島工場
主要事業 | 主に衣料用洗剤等の家庭品用基剤、各種工業用製品、化粧品用の培養製品、食油製品/食品用基剤の製造 |
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設立 | 1980年5月1日 |
従業員数 | 313名(2023年4月1日現在) |
所在地 | 〒314-0103 茨城県神栖市東深芝20 |
代表者 | 花王株式会社 鹿島工場 工場長 羽木 久憲 |
ストレスフリーオペレーションと心理的安全性を目指した取り組みと『社員の森』の活用
受賞理由・所見
花王 鹿島工場が本活動を始めたきっかけとして、従業員の年齢分布に関する今後の推移を見越し、創造革新グループの設置なども含めた独自の工場マネジメントを推進していることは興味深い。10年後には、ベテラン社員が減少し、経験の浅い若い従業員の比率が高まることを考えれば、生産工程においてはストレスフリー(Stress free) なオペレーションとなるように作業・職務を変革していく必要がある.そのため安全については特に文化的要素、すなわち心理的な側面を重視した安全文化の要因で言うところの権力的距離(Power distance; 役職上位の人と一般職の人員との精神的・心理的な隔たり)を小さくしようという戦略(方針)など,社員の働き方改革を念頭に、さまざまな取り組みを行っていることはユニークであり、当工場のマネジメント上の大きな特徴と言える。
同工場ではストレスフリーオペレーションに寄与する権力的距離削減のための基本的なアプローチとして、コミュニケーションの活性化、特に役職上位と一般職の間の双方向のコミュニケーション、そして全員参加の活動を促進するための仕組みを構築している。これらに関係するものとして、具体的には以下に示す取り組みや活動があり、いずれも同社の工場マネジメントの重要な点として評価に値するものである。
評価ポイントとして、
- ITシステムを活用した双方向のコミュニケーションの仕組み ITの活用による双方向のコミュニケーションを実現した「改善提案システム」。これは生産性に関する通常の現場改善をさらに拡張し、安全、品質、作業効率、コストおよび環境など、多くの内容を対象にした活動となっている。
- 生産活動の清流化を目指すための知見収集とコミュニケーションの仕組みと運用 生産現場で発生した生産・設備・品質のトラブルの発見など、情報共有に寄与する(これだけでなく、これらの問題に対する工場内の業務用SNSとしてのコミュニケーションツールの機能も持つ)「The GEMBA Knowledgeシステム」。
- 製造メンバーの生の声をリアルに聞く仕組みと運用 現場の生の声を聞く仕組みである「ラウンドテーブル」、「鹿島なんでも相談窓口」、「安全団結時間」など。
- 従業員が中心に行う歴史があり特徴あるESGに寄与する活動の推進 また、当工場が行っているESGに対するさまざまな活動及び推進も、量・質とも非常に優れたものであり賞賛に値する。
これらの内容は優良な活動で他社の参考になるものであり、GOOD FACTORY賞®(ファクトリーマネジメント賞)の受賞に十分値する工場であると評価された。