GOOD FACTORY賞®

ものづくり人材育成貢献賞 富士フイルムマニュファクチャリング株式会社 竹松事業所

主要事業 複写機・プリンターの消耗品を製造
設立 2010年1月29日
従業員数 303名
所在地 〒250-0111 神奈川県南足柄市竹松1600
代表者 富士フイルムマニュファクチャリング株式会社 竹松事業所
所長 田外 太

全員参加・継続的生産革新改善活動(IPW)を通じた人材育成について

受賞理由・所見

富士フイルムマニュファクチャリング株式会社 竹松事業所(以下 同事業所)は複写機・プリンタの消耗品を製造する工場である。同事業所は1968年の操業開始以来、組織変更・事業統合・生産品移管等を経て、2010年に現在の事業体及び名称となり現在に至っている。

その過程では順調に工場を運営・管理し、生産量も伸ばした上で、デミング賞をはじめ多くの表彰を受けた事業所である。しかしながら、2010年前後から始まったペーパレス化やデジタル化の波に押され、本体の複写機やプリンタの減少とともに、その消耗品の製造を担当している同事業所の生産量も減少していった。この難局を乗り切るために、経営者・管理者と現場第一線のメンバーが一体となった改善活動を強力に推進していった。その活動を推進する中で“育成する・される”という風土が醸成され,人が成長してきたと考えられる。

上述に加え、その「改善する人」が活躍する仕組みや取り組みとしては大きく3つが存在する。1つは「IPW(Innovation Production Way)」という改善をベースとした自社流の生産方式、2つ目はトップと従業員が心理的距離を縮める各種コミュニケーションの場と機会づくり、3つ目は現場の困りごとの改善をスタッフや技術、そしてR&Dと一緒に改善していくなどの部門横断活動がある。

以上,工場訪問の結果から,本事業所の人材育成活動の特徴であり強みのポイントとしては、

  1. 全員参加による改善活動(トップダウンとボトムアップの融合と一体活動による改善風土の形成)
  2. 個の成長(階層別の人材育成体系、納得行くまで話す個人目標の展開)
  3. 組織の成長(組織/個人目標の合意点を探り、個人/組織が共に目標達成)
  4. 未来をつかむ力(リサイクル拡大など新たな挑戦と部門横断の改善活動)
  5. 上記活動による自主的かつ自律的な組織文化の形成(従業員の「やりたい」を改善活動でカタチにする組織文化形成)

上記5つのポイントから、同事業所では人が育つ文化・風土を形成され、これが個と組織が育つ仕組みと相まって、厳しい環境においても改善活動の中で着実に人・組織が育ち、その結果として事業競争力に結実してきたものと理解する。

これらの内容は,優良な活動として他社の参考になるものであり、同事業所はGOOD FACTORY賞®(ものづくり人材育成賞)の受賞に十分値する工場であると評価された。