受賞企業・選考理由・所見
ものづくり人材育成貢献賞 花王株式会社 Kao Industrial(Thailand)Co.,Ltd.
主要事業 | 洗剤、シャンプー、生理用品等の家庭用日用品、及び、活性剤、洗浄剤、鋳物原料 等のケミカル製品の製造 |
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設立 | 1964年9月24日 |
従業員数 | 622名(2022年4月30日現在) |
所在地 | 700/313 Moo6, Amata City Chonburi Industrial Estate, Donhuaroh, Muang, Chonburi 20000. Thailand. |
代表者 | サプライチェーン統括 兼 工場長 小塚 淳 |
基幹工場として、花王タイ自立化への取り組み
受賞理由・所見
Kao Industrial(Thailand)Co.,Ltd.(以下、花王タイ)は1964年に操業開始、海外27拠点中最初の海外拠点であり、家庭用日用品(B to C)とケミカル製品(B to B)の両方を本格的に製造している唯一の海外工場でもある。
花王はグローバルリーダーを育成する優れた人材育成の仕組みを日本に持ち運用しているが、花王タイにおいてリーダー、マネジャーの育成が急務となり、社内方針に沿いながら花王タイオリジナルの人材育成体系と人材マネジメントの構築と実施がされた。
オリジナルな教育と人材マネジメントの骨子は、①現場の課題に対応できる教育内容であること、②母国語であるタイ語の教育であること(タイ人による教育)、③教育が昇進の機会に繋がること、④全員を巻き込む活動があること、⑤活発なコミュニケーションが図られること、⑥幸せを感じることができること等が挙げられる。
結果、現在、ローカル人材によるローカル人材のためのローカル工場が実現し、エリア三倍、生産量二倍、人員は 10%増という状態で運用が継続できている。
花王タイで評価されるものとして、一つ目に、現地化・自立化ができている点、二つ目に5S、安全管理、ごみの分別、改善を進める職場など、今後の飛躍の土壌が整っている点、三つ目に、現場リーダーが自信と誇りを持ち、生き生きと職場運営に工夫を凝らしている点、四つ目に、一つ一つの改善もレベル高く行われ、グループ内に価値ある情報発信(事例紹介)や海外他工場の支援などができている点、などが挙げられる。これらは全て人材育成が基盤となっており、特に下記の3点が花王タイの工場におけるマネジメントの骨格として評価された。
- 「ヒューマンセントリックなマネジメント」
- 「ローカライズの工夫(自立化)」
- 「全員を巻き込んだ活動展開と意識改革」
以上が、ものづくり人材育成として評価される優良な活動として、他社の見本となりうる点であり、GOOD FACTORY賞®(ものづくり人材育成貢献賞)の受賞に十分値する工場であると評価された。