GOOD FACTORY賞®

ものづくりプロセス革新賞 ダイキン工業 DAIKIN COMPRESSOR INDUSTRIES,

主要事業 圧縮機および空調 関連製品の開発・製造
設立 2001年2月19日
従業員数 2,305名(2022年3月末時点)
所在地 7/202 Moo 6 T. Mabyangporn A. PluakdaengRayong21140, Thailand
代表者 代表取締役社長
大井 隆

ローカル主体でのITを活用した工場の体質強化取組みと基幹部品のモノづくり改革

受賞理由・所見

ダイキン・コンプレッサー・インダストリー社(略称:DCI)は、ダイキングループ最大級のエアコンの圧縮機供給工場として、スイング圧縮機・スクロール圧縮機などを生産しており、ASEAN・インド地域における基幹工場という位置づけである。

品質重視の方針に沿って工場運営を進める中、外的要因としての労務費高騰、リーマンショック・タイの大洪水および東日本大震災などの影響を受けた生産量減少など、様々に作用してきた負の環境要素に対し、同社は工場の体質強化・競争力向上を行うためプロセス改革活動を推進してきた。この活動の中心に位置づけられるのはIT化(含むDX化)の活動である。その対象範囲は生産部門から間接部門まで幅広く、且つ徹底した活動を推進している。そのIT化で中心的に活動しているのはナショナルスタッフをコアメンバーとしたIT専任チームの活動である。このナショナルスタッフ活用とIT化を進められるよう人材育成に力を入れるなどの活動が、同社のマネジメントの特徴となっている。この専任チームの活躍が、製造から間接までの業務効率化、設備メンテナンス、工場の安全管理および離職率低減など、同社工場の多岐に渡る対象プロセスで効果を上げている。

このDX・ITを活用した日常の活動とプロセス改善の両輪を,良い意味で当たり前に通常業務として、かつ粛々と関連部門が協力して行われている点が良い点である。DX・IT をツールとして、上手く活用し、多くの現場で「問題を発見する」⇒「改善をする」,これを当たり前の日常プロセスとして実現し改善サイクルを徹底的に回している。これらの活動も三現主義で進めており、十分な活用度・有効度を上げていることが現地審査でもしっかりと確認できた。

一方の工場管理においては、ベーシックな工場マネジメントも実施・徹底しており、目標展開を通じて年度の各方針を工場マネジメント及びPDS(ダイキン生産方式)に基づく改善活動を推進している。

これら本工場でのプロセス改革の取り組みがダイキングループの各事業所に水平展開され、グループ全体への支援の面でも大きく貢献している。

上述した活動内容などから総合的な評価を行った結果、ダイキン・コンプレッサー・インダストリー社の工場管理とその活動内容は、GOOD FACTORY賞®(プロセス革新賞)として高く評価できるものであり、十分に受賞に値すると判断した。